Home > ギャラリーレビュー
ギャラリーレビュー Archive
葛西薫さんの個展を見てきた
昨日、札幌芸術の森の工芸館で、札幌出身のグラフィックデザイナー葛西薫さんの個展『葛西薫 1968:TIME TUNNEL!』を見てきた。
一ヶ月余りに亘って開かれていながら行けたのは最終日になってしまったのだけど、これは本当に価値のある個展だった。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
森山さんの写真に、「行間」を見る
金曜日から始まった、森山大道さんの個展。初日に行ってきました。
入口にて「まだ作品は増えるので、余白の場所もあります」とのひとこと。なんでも、まだ展示作を森山さんは選んでいるらしいのだ。ちょっとびっくり。
展示室に入ると、森山さんの私家版写真誌『記録』(ミュージアムショップで買えます)の最新号に収録されたものを中心に、この2年間に撮影された”いま”の視線約60点が、奥へ移ると30年ほど前に一時ここ札幌に居を構えたこともある森山さんの撮った北海道の”記憶”約30点が展示されているのだけど、こうして一気に年月を隔てたものを見ると最近の作品は必ずしも森山さんの代名詞と言われる「ブレ・ボケ・アレ」でゴリゴリ焼いたものでは必ずしもないんだな、と思うのです。
まぁ、今も焼きはもちろん硬いし(印画紙『月光』が廃番になった時には愛用のVR4号<←解説。5号がいちばん硬い。4号は相当硬いです>をかなり買い占めたらしいが)、ハイコントラストではあるのだけど、ものすごく行間を感じる。見ていて、「行間」という言葉をとにかく感じた気がします。
コントラストの強い表現はファーストインプレッションの印象が強くなりがち。眼に飛び込んでくるその瞬間のインパクトはもちろん強い。ただ、それがステレオタイプのようにただのイメージ先行となってしまうこととは、かなりの確率で紙一重ではないか、と。
そんな中で「行間」を感じさせるものを提示していくことがいかに大変か。森山さんはいちばんそこに心を砕いておられるのかもしれないなぁ。
僕のことを例に挙げるのをお許しいただけるならば、その想い、とてもわかります。
僕は「空気感」という言葉をよく挙げます。目の前にある光景の中から、なぜそれを切り取ろうとしたのか。そこにある空気までも含めて、初めて一枚の写真はかたちになるのではないだろうか……。
時間の流れ、想いの移ろい、それらが互いにつながったとき、動き出すものがある。その間に流れている空気が、物語の行間になるのだと。
足を運ぶ折に、これはとにかく見て欲しいと思う一枚があります。
北海道のセクションにある、どこで撮られたかの明記はないけど、男女の高校生カップルの背中を撮ったものなのだけど、それがものすごく繊細さをたたえていて、まわりの空気感とともに「こんな森山大道の写真があったんだ!」と感じることは確実。
この一ヶ月あまり、「行間」を感じに何度か足を運びたいと思っているところです。
- Comments: 2
- Trackbacks: 0
【info】こちらにもぜひ。藤谷くん。
■藤谷康晴ライブドローイング『半透明肉体関係』
きょう18時まで、札幌・北3西17(近代美術館北)「北海航測」ビル1階・マカシブにて
友人・藤谷康晴くんが、ひたすら描き続けるライブドローイング。毎月どこかで続けているそのエネルギーとパワーに脱帽、かつ勇気をもらってます。今日は我が個展と「鉄路展」の会議、さらに夜にも会う人がいるけど、真っ先に見に来ました。
まだまだ描き始めたばかり。これからどうなるか、お近くの方、ぜひ!
- Comments: 2
- Trackbacks: 0
御代田晃写真展『Existence』
札幌でモノクロで写真をやっている人必見の写真展が、いま富士フォトサロン・札幌で開催されています。
御代田晃(みよた・あきら)さんの写真展『Existence』。
DMを見た時から、行ってみたいな、と思っていました。
ふだん学生さんたちのモノクロ中心の作品を見ることが多いせいか、札幌ではそれ以外のモノクロの写真展が少ない気がします。でも、狸小路5を上がったところにあるアリアンス・フランセーズは最近続々といいモノクロの写真展を開き続けています。さすが写真のふるさとフランスの文化機関。秋にはコンペティションも行われるので、楽しみ。……話を戻して。
ギャラリーの中は、半切ないし全紙に焼き付けられた、札幌からはじまりニューヨーク、ハワイ、スコットランド、フランス、モナコと続く旅の光景で埋め尽くされています。
ありふれた街角の光景や、メトロのミュージシャン。海辺、夕暮れのラッシュのハイウェイ。その中に時折現れる静謐な瞬間。ウッドデッキに落ちた花、山脈に伸びる一本道、そして公園に差す夕陽。
通り過ぎてしまいそうな光景にこそ、旅を感じる。僕の写真もそんなテーマで撮り続けているから、気がつくとやはり”旅人の視線”になって作品を見ていました。
ご本人ともお話させていただくことができたのだけど、やはり銀塩・モノクロが持っている「深み」に惹かれて撮り続けている、と。
スナップショットで、まちがいなく膨大な量の写真を撮っている中から選ばれた作品たちには、飾りのない、彼がその眼で見たそのままの光景、そこに漂っていた空気、一枚一枚に繊細さが宿っているように感じます。
焼きも美しい。影・陰が美しいのです。
「とにかく焼きやすいいいネガを作ることを大切にしている」と、御代田さん。ん〜、さすがのお言葉です。
撮る・見る・焼く(自分でやっている人は)・見せる。写真の基本は、実はいちばん大切なことでもある。
いつも考えさせられることだけど、今日はそれを再確認しました。
僕も11月にはここでの個展。俄然闘志が湧くってもんです!
■御代田晃 写真展『Existence』
富士フォトサロン・札幌
札幌市中央区北2条西4-2 札幌三井ビル別館1F
3/30(金)〜4/4(水) 10:00〜18:30
- Comments: 1
- Trackbacks: 0
【加筆!】こういう場に来ると元気になる。
友人・sachikoちゃんとましもちゃんの二人展が始まりました(写真はオープニングレセプションにて。体調はまだ本調子じゃなかったけど、ぜひとも行きたかったから……)。
片や、無数の長さとかたちの線を紡ぎ続け、片や、五感……時に官能に訴えてくる桃色のものを生み出し続ける。
点と線、線と点。でもそれは、第三者=観る人がかかわることによって「面」になる。彼女たちの作品を観て、いつもそう感じます。
かたちになりにくいものを、かたちにする−−−。
写真はそのまんまが写り込むけれど、彼女たちのは必ずしもそうではない。でも、どっちも最後はその現場に介在した人、目撃者の存在によってかたちになる。
線にも点にも、あたたかさと冷たさがあって、それは人を遠ざけたりもするし、一方で誘いもする。何度も磁場の中をぐるぐるしながら、最後にはあたたかい体温が残る、そんなふうに僕は感じました。
さて、あなたは”線と温い桃色”に包まれて、何を感じるでしょう。
●c.a.t.e.r.p.i.l.l.a.r 『線と温い桃色』
3/6(火)〜3/11(日) 10:00-18:00
コンチネンタルギャラリー
札幌市中央区南1条西11丁目 コンチネンタルビルB1(1F……北洋銀行)
地下鉄東西線西11丁目駅・市電中央区役所前電停下車
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
「卒展」の季節
この季節は大学や専門学校の「卒展」シーズンですね。
僕は出す側としては縁がなかったけど、見る側としては毎年本当に楽しみ。
先週は大谷短大の卒展だったけど、その大谷短大が今年創立100年ということで、元・現職員やOG・現役学生による記念の展覧会が開かれています(札幌市民ギャラリー(南1東6)にて、日曜日まで)。
ましもちゃんやsachikoちゃん……我が友人や、作家としても一線で活躍されている先生方の作品、約120点。
なんていうのかな、僕は果たしてハタチくらいの時にここまで展望を持って創作活動をやっていたのかな……と思い起こしちゃったりするくらい、どこか荒削りかもしれないけど、でもレベルの高い作品を出しているんです、みんなが。
僕は本当にみんなから新たな創作のエネルギーをもらっています。そして、いろいろなジャンルのさまざまな創作を見ると頭もやわらかくなるし、こんなこともできるんじゃないかと、たくさんのヒントが浮かぶんだよね。
来週あたりから、たくさんの卒展が続きます。
●北海道教育大学 大学院美術教育専修 修了制作展……2/5(月)-10(土) 時計台ギャラリー
●北海道教育大学札幌校 芸術文化課程美術科 卒業制作展……2/12(月)-17(土) 時計台ギャラリー
●札幌市立高専 卒業・修了制作展……プレ展・2/15(木)-23(金) 教育文化会館/本展 2/27(火)-3/15(木) 高専校舎
など、など・・・。
彼らとはどんどん歳は離れていくけど、同じ時代の空気を吸ってモノをつくっているからには、彼らに学ぶものは尽きることがないわけで。
できるかぎり、今年も「卒展」にたくさん足を運びたいものです。
情報お持ちの方、ぜひ教えていただければうれしいです。
・・・・・・
そして、明日からSOSO CAFE(南1西13)にて友人YOMIちゃんの個展が始まります。
オープニング、行きますよ。みなさまもぜひ。
・・・ここから転載・・・
2007年2月3日(土)〜2月27日(火)
YOMI EXHIBITION
札幌で活躍する、YOMIによるエキシビジョン「もう一度言うよ 僕に君の夢の話をしてくれないか?」が、2月3日(土)〜2月27日(火)まで「SOSO」で開催される。
ひたすら絵を描く事に夢中になり、展覧会のみならず、路上でのライブドローイングやパフォーマンスなど自由奔放に制作活動を行っている新鋭アーチストだ。
SOSOでのエキシビションでは、高さ2m、幅1,5m(拡げたら3m)となる巨大絵本を展示する予定。彼女の絵とメッセージから、夢を信じる強さと、優しさを感じることができるだろう。
オープニングパーティでは、YOMIがライブでの制作パフォーマンスも行う他、同じく札幌出身のテクノ・アンビエントアーティスト、Takaaki Suzukiとのピースフルなセッションが行われる予定。子供からおじいちゃんまで、是非遊びに来て欲しい。
オープニングパーティー
日時:2007年2月3日(土) 18:00〜22:00 料金:1000円
・・・転載ここまで・・・
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
『鳴海伸一版画展 JIBIE』
版画と写真。実は近い間柄なのかもしれない。
どちらも原板から紙に写すものだし、人の手で板に彫るのと、光と化学反応を使ってフィルムと印画紙に像を作るのも似ている。
僕と同い年の版画家で、鳴海伸一さんという方がいらっしゃる。道内外、今年はニューヨークでも個展を開いて来られた方で、実は数年前から毎夏の「小樽・鉄路・写真展」を見て下さっていて、今年初めてお目にかかることができたのである。
初めて作品を拝見した時、『版画らしくないな』、と感じた。もちろん、いい意味で。
エッチングの技法を使い、ピンホールカメラで撮影した写真を原板にした作品を見た時には、ドローイングでもなく写真でもなく、写真の繊細さと版画の明快な線が共存していて驚いたのを覚えている。
明日まで開かれている個展『JIBIE』を見に行ってきた。
今回は、咲き誇る花のイメージが、今にも動き出しそうなダイナミックな黒い線で描かれている。
あとは、オレンジか黄色がどこかに使われているだけ。とてもシンプルだ。
動き出しそうなどころか、本当に動いている作品もある。映像クリエイターの中井明仁さんが、鳴海さんの作品をCGで映像化した作品が流れていて、まさに目の前で動いているのだ。
これもまた、版画と写真の意外と近い関係を見たような気がする。
原板を投影するものが異なるだけで、投影する時、その画像は動いているわけだし、その中の一瞬が定着されるのが紙だったり見る人の記憶だったりするわけで。
軽やかさと奥深さがそこに共にある。見ていてとても気持ちいい。
写真が好きな人、映像が好きな人、明日お時間があれば、是非。
●『鳴海伸一版画展 JIBIE』
明日(17日)まで 10:30-17:00
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1条西3丁目 ラ・ガレリア5F<1Fに日産ギャラリー>)
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
Dr.ツクール個展『おもちゃ箱展=おもちゃ場個展』
- 2006-12-08 (金)
- ギャラリーレビュー
いつもいろいろとお世話になっている”ガラクタ大発明家”のDr.ツクールさんが、はじめての個展を今日から3日間開いています。
さっそく行ってきました。
あの”ツクールハウス”が1/1スケールになっている、それだけでもまず感激です。そこからご本人が登場しちゃうからまた楽しい。
中におじゃますると(本当に「おじゃましま〜す」って感じ!)、数多くの作品が待っている。ツクールさんの器用さとユーモアのセンスがどれにもいっぱいあふれていて、そのほとんどは自分で動かすことによって楽しめます。
ここには映っていないけど、いも虫ラジ昆でぜひ遊んでみてね。
たった3日間なのが本当にもったいないくらい立派なおうちの前にはなんと花いっぱいのお庭もあって、とってもファンタジック。
みんなで遊べちゃうこと請け合いです。
これが初個展というが信じられないくらい、ツクールさんはおもしろいモノもコトもたくさん知っている人。ぜひライブで楽しんでほしいアーティストですよ。
日曜日はワークショップとパーティも。僕も行きますので、皆さま、ぜひ!
●Dr.ツクール個展『おもちゃ箱展=おもちゃ場個展』
会期:2006.12.8-12.10 12:00-20:00
−「みんなでつくーる会」: 2006.12.10(sun)16:30-18:00
参加費: 500円(材料代+おかし代)
−クロージングパーティー: 2006.12.10(san)18:00- 持ち寄り大歓迎です。
会場:PRAHA 8J(ぷらははちじぇい)
札幌市中央区南11条西9丁目4-1 あけぼの開明舎201内 (旧・市立曙小学校校舎)
●地下鉄南北線「中島公園」駅より600m●市電「中島公園通」駅より300m●バス停「南11条西11丁目」停留所より100m
*校舎に入って玄関右手の階段を上がり、2階右手廊下に入ってすぐのところです
主催: PRAHA Project
協力:小牧寿里写真事務所
- Comments: 5
- Trackbacks: 0
学生もがんばってる。
3日から5日まで、すすきのの少し南にある旧・豊水小学校の体育館で「学生STEP」という、こちらは在札の学生たちによる集合展が開かれていました。
札幌医大写真部の大川くんをはじめ、おなじみの顔触れも出展していたのだけど、こちらも100人を越える参加者となによりそのジャンルの広さにびっくり。ファッションショーとライブドローイングのコラボレーションや、ビデオインスタレーションまで。スチレンボードでブースを作ってあったのだけど(これ、僕の展示でアイデアいただこうかな 笑)空間そのものを作品にする力量に眼を丸くしました。
写真作品としては、小樽商大の皆さんが積極的に展示していました。他にも、南米で撮ってきた写真をブースいっぱいに埋め尽くした人がいて(お名前失念してしまったのだけど)、完成度がとても高かった。
そのパワーを広く実感してもらう場所を自ら求め、作り出そうとすることと、それを続けていくこと。札幌ではなかなか難しいそれらを、「STEP」は着実に進めていて、前回は見に行けなかったけど第1回から見させていただいている身としては、とても頼もしく思うのです。
彼ら・彼女たちが、社会に出てもこういうクリエイティプな活動を続けていける環境が絶対に必要だと、改めて感じるなぁ。
100人展のオープニングで端聡さんもおっしゃっていたけれど、北海道に根を下ろしながらその活動と自らの視野を世界に向けることのできる、そんな環境が。
僕は一度日本を飛び出そうと思っているけど、ここ札幌で4年目を迎え、たくさんの方々と結ばせていただいているネットワークをもっと太く、そしていずれは海外に直結できるようなことをしたいと思っています。そのためにも、もっと自らを磨いていきたい。
学生たちのエナジーに負けてはいられないね!
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
二部写、元気いいぞ。
観てきました、北海学園大の二部写真部展@ivory。
ボブ氏に『すっかり身内』と言ってもらって幾星霜(笑)、いつも見させていただいているんだけど、今回は本当に元気がいい写真展だった。
ivoryには個展のDMを置かせていただきに行ったことはあるけど、ここでは今までほとんど写真展が開かれてなくて、こうして写真が並んでいる姿を見るととても新鮮。
そしてなによりも、新人さんたちがとてもうまい! 焼きも、視点も。
きっと諸先輩方の英才教育が功を成しているんだな、うん(笑)。
日記でもおなじみのたくま君が、銀塩写真へのオマージュをコメントで捧げていたのがとても印象的だった。
いま、ひとつの意味で銀塩やモノクロの写真にいちばん触れているのは学生写真家ではないかと、いつも思っている。
それだけに、そのまま貫け、社会に出ても写真との接点を何らかのかたちで持ち続けていて欲しいなと、心から思う。
*北海学園大学二部写真部写真展
10/1(日)まで 11:00〜20:00(最終日は17:00まで)
ほくせんギャラリー・ivory
(札幌市中央区南2条西2丁目・NC HOKUSEN ブロックビル4F)
- Comments: 2
- Trackbacks: 0
ホーム > ギャラリーレビュー



