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ブックカフェ『開化』最後の訪問

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札幌・平岸、環状通と平岸街道との交差点そばにあるブックカフェ『開化』。
我が家から近いようで微妙にダイレクトにはたどり着きにくいところだったものでなかなか顔を出せなかったけど、文学・建築・アートを中心にした本や図録、「ポパイ」「オリーブ」(たぶん全号ある!)「ブルータス」のバックナンバーを読みながら珈琲を飲めるという素敵な空間。

ここが惜しくも今月をもってクローズされると聞いて、行って来ました。
あまり来れていなかったことを詫びつつ、今日は特にその「ブルータス」のバックナンバーをたくさん読んできました。
30年近く前に今の雑誌づくりの一つのセオリーである一号丸ごと大特集主義や大胆なサンドイッチ型のレイアウトを取り入れていたり、何より石川次郎さんをはじめとする編集者たちが”やりたいことをやる”スタイルで作った雑誌。ネットもない時代、僕らは雑誌を貪るように読んだけど、きっと作る側も今以上に貪るようにネタを追い求め作っていたその熱気が感じられるのです。
今も昔も雑誌は鮮度が命、”いま”をスクラップするその意味合いは変わらないけど、ニュースの中味は当時のものであっても、今の雑誌を果たして30年後に開いた時に新鮮さを感じられるだろうか……、そんなことをちょっと考えたりもしました。

明日30日(土)は通常営業の最終日で、18:00まで、その後はライヴがあるそうです。
31日はガレージセールとして店内の家具や本を販売とのこと(すでに「従業員以外全部売ります」の張り紙とともに、本は原則として定価の半額で売っていました!)。

願わくば、どこかで再び開いてもらいたいなぁ。

■kissa kaika(『開化』)
豊平区平岸3条9丁目10-1 第一恵信ビル2階


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元・本屋のニィちゃんのおせっかい。

最終日に行けなかったのが惜しいのだけど、札幌からまた、老舗書店が消えてしまった。
駅前通、グランドホテル前のなにわ書房さんが、きのうで閉店した。
決して大きくはないが、1Fのビジネス街の本屋さんらしい質実剛健さと、2Fのジャンプからボーイズラブに成人モノまで(笑)の品揃えで鳴らしたコミック売場で、同業者にもまちがいなく一目置かれていたお店だと思う。

やはり、本屋はデカくなくてはいけないものなのだろうか。
なにわさんも、札幌駅の3つの大型書店(のうちのひとつに僕はかつて勤めていたのだが……)に、やはり”負けて”しまったのか、それとも今度大通りに進出するジュンク堂さんや、みずほ銀行の跡地に帰ってくる丸善さんに早くも”不戦敗”してしまったのか。
僕は、そのいずれとも思いたくない。なにわさんは、きっとやりたいことはやり尽くすことができたと思うから。
ビジネス客も観光客も立ち寄る環境で、本当にバランスのいい棚づくりをしていたように僕は思うし、落ち着いた空間、ひと目で全部見渡せるちょうどいい大きさにこだわってきたことは、お店を見たら一発で分かる、そんな空間だったように思う。
大通の地下にあるリーブルなにわは引き続き経営されていくそうだ。地下鉄の横だし、狭めの通路でいつも混んでいるけど、落ち着いたいい空間は同じ。これからも、その適度な堅さは大切にしていって欲しいと思う。

本屋さんは、決してスーパーではない(だから、単にたくさん本があって、特売みたいに平積みをやる店は、あまり好きじゃない)。でも、デパートのようなかしこまった空間になっちゃっても良くないと僕は考える。
気軽に寄れて、でもそこには多様な”知”があり、押し寄せる情報(一日に200点の新刊書籍と100種の雑誌が日本では発売されている)の中からそのお店が今何を伝えたいのかが見えてくる……それが、居心地のいい本屋さんの、僕的条件。
「中学生はこれを読め!」で知られる琴似のくすみ書房さんは、いじめ問題を受けて「命を守るためのブックフェア」を企画したそうだ。伝えたい思いがある……それこそが、著者の思いを読者に手渡すアンカーとしての本屋の仕事ではないだろうか。

おんなじ値段だからこそ、本を好きな本屋で買う。自分にとって一番居心地のいい本屋で。
あなたは好きな本屋さん、ありますか。


『SAPPORO YEAR BOOK 2005-06』出版!

4c7d0d6f.jpg札幌でクリエイティブなことをやっている人は、毎日、一日一日をどんなふうに思い、過ごし、動いているんだろう……。そんなまるまる一年分の「日記」が本になりました。
『SAPPORO YEAR BOOK 2005-06』のリリース記念パーティーが開かれたので、CAIへの搬入の後に行ってきました。

さっそく、おととい届いたばかりだという本をいただいて読んでみると……、僕の知っている人があの日にも、この日にも。
写真家もいるし、デザイナー、画家、ミュージシャン、映画監督、アナウンサー、公務員、高校・大学の先生……。それぞれの人が、ごくごく私的な今日の出来事を持ち寄ったら、クリエイター年鑑/名鑑であり、紙のblogであり、情報辞典であり、レビューであり、文化的ガイドブックでもあり、そして、ノンフィクション・ドキュメンタリーでもある一冊の本に結実しました。

この本の狙いのひとつが、”リンクしている”ということ。単なる日記を越えて、登場する場所やお店、もの、そして人の情報がたくさん結び合っているのです。コントリビューター(筆者)の名前にはたいがいURLとメールが書いてあるし、お店や場所の多くは写真で紹介もされているし。巻末の札幌の地図には登場した場所にその日付が書いてあって、そこからたどるのもおもしろい。ちなみに、筆者名からは索引できないので、思いっきりページをめくって探してね(笑)。
ちなみに僕は、去年の4月14日と10月21日、そして今年の1月20日を書いています。写真ネタと鉄道ネタ、そしてバイクネタで固めてみました。あの人も登場しているし、そんな出来事も書いてます。

札幌市内のギャラリー・カフェ・服屋さんなどで無料配布されます。
この企画の発信源のひとつでもあるthink garden(南2西7)に行けばゴッソリもらえますよ(結構重いので紙袋持参で!笑)。ぜひお友達にも頒けてあげてくださいな。

*もうひとつの発信源・フリーペーパー[MAGNET]のサイトはこちら


パリはきっと、”写真の都”。

05d42997.jpgいまthink gardenから借りている写真集、『パリ 美し都の四半世紀』(初沢克利/集英社/1994年)がすばらしい。700ページにも及ぶ中には、すべてモノクロで切り取られたパリの街角、人々からパリコレクションの表舞台と裏舞台に至るまで、著者の10年に及ぶパリでの写真家生活とその後も折に触れ訪れ続けたパリで切り取った膨大な数の写真が収められている。すでに10年以上前の本だから、ここに映っている光景や人々の身にまとう服にはちょっとなつかしさを感じるが、これこそが写真の写真たるゆえんなのだ。

写真集とは言っても、この本は本当にフランクでカジュアルな身なりをしている。ここに収められた写真のほとんどは、パリの街の日常の光景……セーヌの川岸で甲羅干しをするカップル、なじみのカフェに毎夜集うお客さんたち、公園、メトロ、道ばたで歌うミュージシャン、などなど。普段着の街が映っているから、この本もまた、特別に着飾ってはいない普通のソフトカバーで、本文の紙質もとりたてて上質というわけじゃない。でも、そこに刷り込まれたモノクロームのパリはしっとりとなじんでいて、なにより、あたたかい。

パリにはもちろん僕は行ったことはない。でも、写真術の生まれた国の首都、世界中のアーティストが集まる芸術の都のここを切り取った数あまたの写真を見ていると、人も空気も景色も音も、とにかく雑然としているのに、誰かがタクトを振っているわけでもなく調和している街……そんなふうに思える。
ファッション誌に出てくるような色にあふれたパリも、アジェやドアノーが切り取った白と黒とグレーのパリも、そう見える。僕にとっても、一度は写真に撮ってみたい街のひとつだ。

これだけの分厚い本にすら、きっとまとめきれなかったくらいの光景をきっと著者は間違いなく見て、切り取っている。積み重ね積み重ね、シャッターを切り続ける日々。写真家はそんな日々を、きのうも、きょうもあしたも、積み重ねていくものなのだ。僕もその末席に加われるだろうか……。


大通の丸善、さらば。

6699f137.jpg札幌の大通に店を構えていた丸善が、今夜を最後に閉店した。
来月末に、あの有名なサッポロビール園のとなりにできるショッピングモールに移転する。ワンフロアでひろびろしているというこの街の書店業界の流れに乗るための移転と言って間違いないだろう。5フロアに分かれた店舗構造が、そんな昨今の流れに乗れないという理由だそうである。
僕の古巣・三省堂をはじめ、札幌駅周辺には紀伊國屋、旭屋と3つの大型書店がしのぎを削り、なんでも総蔵書数は300万冊に及ぶという。紀伊國屋も旭屋も、元々は大通近辺にそれぞれ店があった。丸善が消えて、札幌の大型書店は完全に「駅前一極集中」の姿になった。あのあたりに残るのは、リーブルなにわ、ピヴォブックセンター、そして紀伊國屋(小型店舗)のみ。180万都市のど真ん中に書店がこれしかなくなるというのは、いささかショックだ。

和洋の芸術書の品揃えでは札幌一の存在だったから、僕もよく行っていた。そしてなによりも、丸善は「本屋らしい本屋」だった。自分の店の顔がはっきり見える本屋だった。そういう店も、昨今の札幌では貴重になったような気がしてならない。

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1937年の『ピータァ・パン』

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今回の北星写真部の部展は、学園祭の展示のひとつ。その出店の中にあった、北星の先生方の蔵書蔵出し古本市で、こんな本を見つけた。

『ピータァ・パン』(岩波文庫)。もちろんあのJ・M・バリの『ピーター・パン』なのだけど、タイトルが右から左書き。本文が旧仮名遣い。奥付を見ると…「昭和十二年十一月二十日 第六刷發行」。
つまりこれ、68年前の『ピーター・パン』なのです。それにしてはあまりにもきれいな表紙。岩波文庫の外国文学の目印・赤帯もほぼ完全なかたちで巻き付いていれば、本文もほとんど赤茶けていない、書き込みや折り曲げもない、すばらしく美しい本。しかもただでいただいてきた(寄付金制だったので気持ちをちゃんと入れてきたけど)。

そういえばこの物語も舞台はロンドン、ケンジントン・ガーデンズ。こないだの旅で行ったハイド・パークのお隣で、ちゃんとピーター・パンの銅像もあるのだ。文庫の文頭には絵地図もついている。もちろん右書き、旧漢字、旧仮名遣い。でも、読み始めてみると意外に難しさがない。まぁもともと童話だというのもあるが。さすがに言い回しに”乗合自動車”なんてのが出てくるのが時代である。

子供以来の、しかも旧仮名遣いで読む、1937年の『ピータァ・パン』。表紙が見たくて、帰りにさっそくビニールのカバーを買ってきてしまった。手元にあるだけで、読んでるだけで、シアワセなのである。

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紀伊國屋新本店を偵察

d763bdf7.jpgついに移転オープンした紀伊國屋書店・札幌本店。雨降りだったけれど、初日に行ってしまいました。
もう書店人じゃないけれど、すぐ隣の某書店勤務時代には「マル紀(←紀伊國屋の業界内での通称)が出来たらウチまずいんじゃないの!?」なんてまことしやかに話が飛んでいたもんだから、やっぱりどんな店作り、棚作りで攻めてきたかは見たいなと思って来たら、案の定古巣の先輩にばったり会いました。理工書担当だけにやはりそのあたりは細かく見てきたよう。でも「まだ新店舗だから棚が固まってないよね」なんて話で。まずは入ってみた。

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「スポーツは果実」できました!

20050329-p01.jpg個展の時にもお知らせしたのですが、僕の作品を使っていただいた本『サクセスフルエイジング読本Vol.7 スポーツは果実』(求龍堂)が刊行されました。95頁からの西谷修さん(仏文学者)の寄稿「踊る魂 − 心と体」の中に掲載されています。また、巻末にももう一枚掲載されました。
まだ届いたばかりで僕もひととおり読ませてもらっている途中なのですが、とても興味深い内容の本です。僕の写真が出ている西谷さんの寄稿は、「訓練」と「修行」という言葉は日本語においてはちょっとニュアンスが違うけれど、フランス語では「エクゼルシス(exercice)」というひとつの単語で言い表され、しかも同義である、ということから人間と個人の存在を考えるもの。根っからの文系人間だと思い込んでいる自分にとって、スポーツって縁遠いものなのだけど、生きていく、生活していく上で「からだ」は必ず動かすものであり、それがどう「スポーツ」に関わっているかということ、肉体的、そして精神的に関わっているかということを実際に競技生活をしている/しておられた方はもちろん、幼児教育や日本舞踊にかかわっておられる方などさまざまな分野の方々が語っているのを読んで、新鮮な発見がありました。この他にも石内都さんの写真や谷川俊太郎さんの詩なども載っています。そうそうたる皆さま方と同じ本に名前を並べさせていただいたんだなぁと、本当に身震いしています。

店頭に並んでいるお店は少ないかもしれませんが、全国の書店・ネット書店および求龍堂さんのWebサイトで取り寄せができますので、ご興味のある方、ぜひお手に取ってご覧いただければ幸いです。

●『サクセスフルエイジング読本Vol.7 スポーツは果実』
中村多仁子さん 編著 ISBN4-7630-0509-X
求龍堂(きゅうりゅうどう)・刊 定価1,260円(本体1,200円+税)


青山ブックセンター、閉店!

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仕事帰り、携帯でニュースをピコピコと見ていたら、こんな見出しがあった。

『青山ブックセンターが営業中止 おしゃれな店づくり定評』

えっ??? 思わず声を上げてしまった。
書店員ならずとも、写真集やアートな本が好きな人にとってはあまりにも有名な、東京の書店。人呼んで[ABC]。僕も東京時代は他店でありながらしょっちゅうお世話になり、青山の本店や六本木店(朝5時までやっていた)なんて、一度入ったら何時間も出て来れなかった。
そりゃ目を疑うよ。まさかあんな特徴ある棚作りが売りの書店がつぶれるなんて。会社のサイトもとっくに閉鎖され、Webの各ニュースサイトでも大きく取り上げられている。
なんでも、芸術書の低迷が業績を悪化させ、商品を納めている取次(要は問屋である)がABCの破産の手続きに入ったというのだ。
今までにも取次が引導を渡して息の根を止められた書店はいくつもあったが(---説明しよう。仕入れた本の代金は取次を通して出版社に払われるわけだが、それが立ち行かなくなると当然取次は書店に本を送らない。ということでつぶれる---)、まさかあのABCまでもが……。
独自のルートで仕入れたここでしか手に入らないような本も多く、こればかりは僕の棚作りもかなわんと、いつも度肝を抜かれるような棚だった。それだけ、芸術書、写真集と言えばABCだったのだ。
最近東京には、まさにセレクトショップのような書店がどんどん産声を上げている。ABCは、まさにそのはしりだった。
なんとかどこかの勇気ある書店がこのコンセプトごと買い取って再生させてくれないものだろうか。ウチの会社は無理かもしれないけど(^^; このまま「あぁ、そういえば昔、ABCなんて本屋があったね」なんて過去のことにするには、あまりにも惜しい。

Myblog japanで[青山ブックセンター]を検索。こんなにも出てきます。これはある意味、アートカルチャーの一大事件だと思う。

業界紙「新文化」より、ABC最後の日。
僕も本屋の撤収作業には加わったことがあったけど(移転のため)、ここにある本はどこへ行ってしまうのだろうか。本は人の目に触れ手に触れてこそ、本。遠くないいつか、またこの本たちがひとつ屋根の下で日の目を見ることができますように。
それにしても、残念という言葉で片付けきれない。悲しい……。

■僕の本家サイトのコラムにも、ちょっと長い文を書きました。よろしければ、そちらも


「だれが『本』を殺すのか」

20040605_1939_000.jpg三年前、こんな衝撃的タイトルで大論争を巻き起こした”本コロ”が、新章も追加して文庫になった。当時にも読んだのだけど、むしろ状況はさらに風雲急を告げている。ようやく上巻を読破しようとしている所。後程追記。


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