”これからののりもの”がやってきた日 −札幌市電・新車搬入作業−

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2013年。ついに、札幌の路面電車が”遺産”から”これからののりもの”に進化する年がやってきました。
昨年のデザイン発表と「札幌市路面電車活用計画」策定からほぼ一年、ついにその一翼を担うイメージリーダーとしての超低床電車・A1200形第一号編成が、製造メーカー・アルナ車両さん(大阪)から遠路はるばる、ここ札幌に到着しました。
本日(3月18日)未明に苫小牧に航送されてきた車両は陸路札幌を目指し、電車事業所に搬入されました。この様子は朝の各局のニュースでも伝えられました。特にHBCテレビではWBC中継の中のニュースで放映され、Twitter上でも幅広く注目されていたようです。
>> http://news.hbc.jp/03181706.html
僕は正午過ぎに電車事業所に向かい、作業の様子を見てきましたので、写真でご紹介します。

*なお、写真は全て敷地外公道より撮影したものです。

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▲【12:24】電車はクレーンに支えられた格好で、この時点ではレールには載っていませんでした。
Nゲージの”リレーラー”のような枠が下についており、これを用いてレールに載せる塩梅のようです。

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▲【12:26】遠景です。架線が蜘蛛の巣状に伸び、真後ろは民家というかなりタイトな条件の下で慎重に作業が行われていくことが分かります。

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▲【14:23】一旦その場を辞し、再び戻ると電車は既にレールに無事載っていました。
役目を終えたトレーラーとクレーン車(2台のうち1台)は帰っていきます。トレーラーは神戸ナンバー、再び元来た道をたどっていくのでしょうか。

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▲【15:02】残ったクレーンで、別のトラックで運ばれてきた機材の中でも最大のもの、パンタグラフを下ろします。
このあとそのまま電車の屋根上に取り付けるものと思われます。

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▲【15:32】車庫内から再び、電車が押し出されてきました。

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▲【15:44】クレーン車で積載されたパンタグラフの取り付けが行われます。

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▲【16:08】この状態でいよいよ保護シートの取り外しが行われるのかと思ったところ、やはり雨のせいか、電車は車庫内に引き込まれていきました。しかし、どうもそのまま裏側に抜けているようです。

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▲【16:14】藻岩山がすぐ後ろに迫る車庫裏側に電車が出てきました。(公道が電車事業所外周を一周しています。こちらはさらに塀が低くなっています。)
なんと牽引しているのは”先輩電車”8521号でした。この車が就役して以来、札幌市電に25年振りにやってきた完全なる新車をエスコートしているわけです。

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▲【16:15】おそらく最も電車に近づけたのがこの一瞬。シートを被っているとはいえ、3両連接の迫力に圧倒されます。

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▲【16:17】電車は車庫内を一周するループ線の上屋内に入りました。

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▲【16:23】ここで保護シートが剥がされるのでしょうか。取材に来ておられたテレビ局のカメラも回り込んでいましたが…

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▲【16:40】再びそのまま電車は引き出され、転線。
確かにループ線に留め置くわけにはいきません。というのも、ここは入庫する電車が必ず通るところ。ちなみに先日、新年会で仲間と電車を借り切った時にも休憩(電車事業所でトイレを貸してくださいます)の折にここを通っています。

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▲【16:52】正面側に電車がもう一度引き出されてきました。しっかりと棒連結器で結ばれています。
なおこちら側についていたのは8522号。エスコート役がどちらも8520形というのは単なる偶然ではないような気もします。

この後電車は再び車庫に押し込まれ、その段階でシャッターが降ろされました。
残念ながら保護シートを取り外すところまでを見ることはできなかったものの、まさに札幌市電の歴史に残る一日の一部をこうして見ることができたのは本当にうれしかったです。

今日は10人ほどの撮影・見学の方がおられました。また、通りがかりの方々も盛んに庫内に視線を向けておられました。
札幌市の広報発表によると車両は今月29日に正式に市に引き渡され、試運転と乗務員さんの習熟を経て5月に営業を開始する予定で、デビューイベントも計画されているということです。
>> http://www.city.sapporo.jp/city/mayor/interview/text/2012/20130313/documents/densya.pdf

プラットホームのかさ上げなどでステップを取り除いた路線を除き、札幌は国内の路面電車で最後から2番目の超低床電車導入となりました(*営業開始地点において)。
廃止の危機を脱しつつも、長らく”現状維持”で運行されてきた市電。山鼻の街を往く姿はこの街の名物ですが、一方で高いステップの乗り降りに難儀される方の姿を見るにつけ、なんとかこの街にも超低床電車を…という思いは沿線の方々や多くの市電ファンの願いであったことでしょう。
しかし、市電をさらにこの街の足、”舞台装置”として活かそうという市政の熱心な方針により、西4丁目とすすきの間を復活させて結ぶループ化(環状運転・再来年開業予定)や、その後の札幌駅・桑園・苗穂方面への延伸構想など、新しい時代にふさわしい市電への変革が、この新車のデビューを皮切りに、いよいよ始まろうとしています。
“最後発”まで待った甲斐があった、シンプルで美しく、札幌の街並みに溶け込んでいくデザインと、最新のバリアフリー設備。その全貌も、まもなく間近で見られることになるでしょう。

僕はこれまでにも、市電を”遺産”から、21世紀のこの街と生活に合った”これからののりもの”に変えていく必要があると折々に書いてきました。
いよいよ、その第一歩が始まろうとしています。これからも、電車のみならずこの街の変化を追い、そして撮り続けていきたいと思います。


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2 Responses

  1. SSB-520 より:

    札幌市電にもついに新型車両ですね。センスのある車体です。
    新車導入、ループ化などどんどん市電を便利にしてほしいですね。

  2. 素浪人 より:

    札幌の街に似合うセンスのいい電車ですね、画像を見た時
    ヨーロッパの街かと思いました、、自分の街にもほしいな~

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