『鳴海伸一版画展 JIBIE』

14425476.jpg版画と写真。実は近い間柄なのかもしれない。
どちらも原板から紙に写すものだし、人の手で板に彫るのと、光と化学反応を使ってフィルムと印画紙に像を作るのも似ている。
僕と同い年の版画家で、鳴海伸一さんという方がいらっしゃる。道内外、今年はニューヨークでも個展を開いて来られた方で、実は数年前から毎夏の「小樽・鉄路・写真展」を見て下さっていて、今年初めてお目にかかることができたのである。
初めて作品を拝見した時、『版画らしくないな』、と感じた。もちろん、いい意味で。
エッチングの技法を使い、ピンホールカメラで撮影した写真を原板にした作品を見た時には、ドローイングでもなく写真でもなく、写真の繊細さと版画の明快な線が共存していて驚いたのを覚えている。

明日まで開かれている個展『JIBIE』を見に行ってきた。
今回は、咲き誇る花のイメージが、今にも動き出しそうなダイナミックな黒い線で描かれている。
あとは、オレンジか黄色がどこかに使われているだけ。とてもシンプルだ。
動き出しそうなどころか、本当に動いている作品もある。映像クリエイターの中井明仁さんが、鳴海さんの作品をCGで映像化した作品が流れていて、まさに目の前で動いているのだ。

これもまた、版画と写真の意外と近い関係を見たような気がする。
原板を投影するものが異なるだけで、投影する時、その画像は動いているわけだし、その中の一瞬が定着されるのが紙だったり見る人の記憶だったりするわけで。
軽やかさと奥深さがそこに共にある。見ていてとても気持ちいい。

写真が好きな人、映像が好きな人、明日お時間があれば、是非。

●『鳴海伸一版画展 JIBIE』
明日(17日)まで 10:30-17:00
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1条西3丁目 ラ・ガレリア5F<1Fに日産ギャラリー>)


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