onedotzeroに刺激を受ける。

34289b34.jpgonedotzeroという、ロンドン発信のショートフィルムフェスティバルがある。札幌でも5年目を迎えるそうで、1日に会ったkさんの友人が運営に加わっていることもあって、会期中唯一の休みの今日(といっても、手前で書いた大谷短大の写真展&インタビューを挟んで鑑賞したので5本のプログラムのうち2つだったけれど)、見に行くことができた。

まず午前中に見たのが、「都市」をテーマにした作品群。
最初からいきなり目を奪われた。スチール写真で撮った世界中の道が一秒に2コマくらいのスピードで変わっていき、大陸の一本道がいつしか都会に入り、庭園の中や家の廊下、地下鉄やトンネル、マーケットを抜けていきながらどこまでも続いていく。無数の街と建築とクルマと人と時代の中を通り過ぎて最後にたどりついたのが、アウシュビッツ収容所。この作品のタイトルは、「復讐の日、世界は灰と化す」。いままでに見て来た街と建築とクルマと人、ほんの一瞬だったはずなのに、暗いガス室の壁に突き当たった瞬間、それらが走馬灯のようにもう一度蘇る。人間を感じ、旅を感じ、温度を感じ、そして最後には戦争が市井の日常のすべてを奪うのだということをも感じる。これが10分00秒に凝縮されているのだ。
他にも、都市生活のひとこまだったり、街が生まれていく姿を無機質な観点から、そして有機的な視点から構成していく作品が続いた。CGバリバリのもあるけれど、実写にこだわって作られたものも多い。
このプログラムには、とても写真的なものを感じた。映画だって、元々は一秒に24コマの写真が動いている。しかも、都市という現実的なテーマを描く手法として、写真も映画も非常に良く使われる。映像を本業とする人ばかりでなく、写真家や建築家が作った作品もあった。
一枚の写真そのものは、動きのない静止画。でも、動き続ける、変わり続けるものの一瞬を現場で撮るということには、映像との共通点がある。
写真で映像的なこと、映像で写真的なことって、きっとできるんじゃないだろうか。こういう創作のスタイルにも、いずれ挑みたいと思った。

夜に見たのは、映像作家マイク・ミルズをフィーチャーしたプログラム。
グラフィックデザイナーを振り出しに、初期のMTVなどでミュージックビデオを作り始め、ドキュメンタリーや短編映画に活躍の舞台を広げている。
歌詞のフレーズを巨大な切り文字にしてアーティストに持たせて公園を走り回らせたり、イラストやパペットを使ったりした作品はデザイナーとしての顔が覗いているし、歌詞からインスピレーションを得て作られた映像はことごとくひとつの物語、短編映画のようになっていて、本来の主役のアーティストさえ霞んでしまいそう。その一方で、労働やティーンエイジャーなどアメリカ社会の抱える問題に切り込んだドキュメンタリーもある。ただ訴えかけてくるだけではない、見る人に響く見せ方や構成があり、それはミュージックビデオに通じるものがある。適切な距離を置いていながらも主人公の人生に肉薄する彼の視線は鋭かった。

連休とかだったら全部見に行ったのだけど、ラインナップを見ているだけでも本当に全作品見たいと思った。今度DVD買おうかな……。


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