紀伊國屋新本店を偵察

d763bdf7.jpgついに移転オープンした紀伊國屋書店・札幌本店。雨降りだったけれど、初日に行ってしまいました。
もう書店人じゃないけれど、すぐ隣の某書店勤務時代には「マル紀(←紀伊國屋の業界内での通称)が出来たらウチまずいんじゃないの!?」なんてまことしやかに話が飛んでいたもんだから、やっぱりどんな店作り、棚作りで攻めてきたかは見たいなと思って来たら、案の定古巣の先輩にばったり会いました。理工書担当だけにやはりそのあたりは細かく見てきたよう。でも「まだ新店舗だから棚が固まってないよね」なんて話で。まずは入ってみた。


2フロアで1400坪、面積は隣の隣にある旭屋書店をも上回って、北海道最大になった。
1Fは新刊、文芸、実用書と雑誌。シンガポールの有名建築家が内装や書棚まで設計した店内を見回しての第一印象は、「マル紀らしくないな」。電球色の照明。棚はジャンルごとに色を変えてある。通路はそれなりに幅を取っているが、今日は開店当日、それどころではない。ひと段落したら、どう見え、感じるだろうか。
雑誌は一番目立つ店頭からちょっと引っ込んだ位置にあるので、ふつうの書店みたいな雑然とした感じが薄らいでいる。棚はすべて前傾姿勢になっていて取り出しやすくなっていたりもする。これはなかなかいいと思った。

2Fは専門書。引っ越し前、大通にあった頃も専門書には強かったけれど、やはりそれを最重点に据えてきている。だが、何より驚いたのは芸術書と洋書の品揃え。これは手放しで喜んでいいと思う。エスカレータを降りた真正面の一等地、ダークブルーの棚がずらりと並んでいて、写真、イラスト、デザインや建築は特にすごい。外国作家の写真集も豊富(マイケル・ケンナがいっぱいあったのがうれしい)。正直、今までの札幌の本屋じゃ絶対手に入らなかったようなものもあった(今日はやめといたけど)。パルコブックセンターがなくなってから見応えのある芸術書の棚がある書店に不自由していたから、これは僕のみならず、いいニュースだと思う。

でも全般的に見ると、やはり棚が固まってないなぁという印象だった。
確かに書店が新しくできる折にはとにかく出版社や取次(本の問屋さんです)が大量に商品を送りつけてくるし(それでとりあえず広大な平台を物量作戦で埋めているところも少なくなかった)、とりあえず移転前の客層や近隣の書店を意識した品揃えの準備はできても結局書店の品揃えを決めるのはお客の力が大きいから、これからということだろう。
それでも、間違いなく札幌で一番大きな書店、キャパシティで勝負を掛けてくるのは間違いない。
本選びの楽しさがまた一つ増えるのは純粋にうれしい。だが、札幌クラスの街でこれだけ書店が密集しているところは全国的にもなく、ますますどこへ行っても同じ品揃え、金太郎飴状態にならないかが気がかりなところ。そして何より地元勢の元気があまり感じられないのは残念なことだ。アート本と若いモン狙いが強みのピヴォにも、若さは…だけどいつもまじめな棚がきっとウリのなにわにもがんばって欲しい。そして我が古巣よ、あまり大きなことは言えないが、百貨店の顧客を囲い込むだけでなく、「ここを目指してきました」と言われるような棚でぜひ勝負して欲しい。写真集、N山くん、任せたぞ。


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